こんにちは。作業療法士Sです。
今回は、前回に引き続き上肢の運動学について、肘関節を中心に書いていこうと思います。
目次
肘関節
肘関節
- 腕尺関節
- 腕撓関節
- 上橈尺関節
作業療法士S
肘関節は3つの関節が合わさってできています。
・腕尺関節:蝶番関節
・腕撓関節:球関節
・上橈尺関節:車軸関節
肘関節の機能
肘の機能は、手の位置を近づけたり遠ざけたりすることです。
前方へのリーチに重要で、摂食機能には必須です。
肘関節の運動
肘関節の可動域は屈曲0°〜145°までとされています。
作業療法士S
女性の場合、10度の過伸展することもあります
肘関節の安定性
肘関節を安定させるために、靭帯があります。
靭帯
- 内側側副靭帯(前・横・後)
- 外側側副靭帯
- 橈骨輪状靭帯
- 方形靭帯
作業療法士S
肘関節内側側副靭帯はMCL、橈骨輪状靭帯はRCLで表します。
肘関節の筋
屈曲
回外位:上腕二頭筋
回内位:上腕筋
中間位:腕橈骨筋
伸展
上腕三頭筋
肘筋
補足)肘関節の伸展 閉鎖性運動連鎖(closed kinetic chain)
三角筋の代償によって、肘が伸展します。
作業療法士S
上腕三頭筋の働かない頸髄損傷(〜 C6B -Ⅱ)の患者様には起き上がり動作などで必要な視点です。
日常生活動作に必要とされる肘関節の可動域
日常生活動作で必要とされる肘関節の可動域は、30°〜130°です。
作業療法士S
肘関節以外の関節に障害がない場合は、75°〜105°必要です。
まとめ
今回は上肢の運動学について、肘関節を中心に書いていきました。
骨折などの整形疾患の患者様への作業療法では、骨がただくっつけば良いというものではなく、上肢の役割に応じた運動学が特に重要になります。