こんにちは。作業療法士Sです。
先日、
【自主トレ】下肢のストレッチについて
ヨガでも同じようなポーズがある、呼吸を止めないようにと言われるがなぜ止めない方がいいのか教えてください
といったお問合せがありました。
お問合せやコメントがあると記事内でわかりにくかった点を編集することができ、皆様にとってよりわかりやすいブログになると思うので、疑問に思ったことなどはご連絡ください!
ちなみにお問合せへの回答は…
呼吸をすることで自律神経のバランスを整え、
副交感神経優位になると、筋がこわばりにくくなるから
です。
それでは今日は、運動とバイオメカニクスの基礎について書いていこうと思います。
運動とは
運動とは、モノが連続して位置を変える過程のことです。
この運動をどうとらえるかが、運動学です。
モノが連続して位置を変える過程、この変化は
重さ・位置・時間で算出することができます!
重さ?それとも質量?
重さ:物体に働く重力の大きさ
質量:物体の動かしにくさ(加速しにくさ)
補足として…
力とは、物体の速度や向きを変えるものです。
力学的用語
関係 | 単位 | |
距離 | 1m | |
時間 | 1秒 | |
速度 | 距離/時間 | 1m/s |
加速度 | 速度/時間 | 1m/s2 |
質量 | 1kg | |
力 | 質量✖️加速度 | 1N(ニュートン) |
仕事(エネルギー) | 力✖️距離 | 1J(ジュール) |
仕事率(パワー) | 仕事/時間 | 1(ワット) |
運動量 | 質量✖️速度 | 1kgm/s |
運動の表し方
- 変位
-
物体が移動した時の位置変化
- 速度
-
単位時間あたりの物体の位置の変化
- 加速度
-
物体の単位時間あたりの速度の変化
- 等速度運動
-
直線上を一定の速度で物体が運動すること、最も基本的な運動
- 等加速度運動
-
直線上を一定の加速度で物体が移動すること
加速度は
加速度=おわりの速度ーはじめの速度/要した時間
で計算します!
運動の3つの法則
慣性の法則、加速度の法則、作用・反作用の法則の3つの法則があります。
慣性の法則
物体に外力が働いていない時、物体は常に静止している。
物体に外力が働いていても、それがつりあっていれば物体は静止するか、いつまでも等速直線運動を続ける。
加速度の法則
物体(質量m)に力(F)が働くとき、力の合力の方向へ加速度(a)が生じる。
力=質量✖️加速度 (F=ma)
作用・反作用の法則
物体Aが物体Bに力を作用するとき、物体Bもまた物体Aに同一線上で大きさが等しく向きが反対の力を作用する。
例)関節圧力
力の合成と分解
2つ以上の力の総和を求めることをいい、総和したことにより求められた力を合力という。
一つの力をそれと同じ働きをする2つ以上の力に分けること。
分解されて求められたそれぞれの力を分力という。
筋繊維の走行における力の分解
筋の収縮力は筋繊維の数に依存する。
羽状筋は紡錘状筋より面積あたり多くの筋繊維がある。
モーメント(トルク)
物体に力を加えた時、ある軸を中心としてその物体が回転した場合、その回転させる力の働きのこと
物体の重心に力が加われば、物体は移動する
⇨ 回転運動は起こらない
物体の重心より外側に力が加われば、物体は回転する
⇨ 回転運動が生じる
モーメントの算出
M=F✖️a (モーメント=力✖️距離)
関節運動
関節運動の多くは回転運動です。
・運動が円運動
・向きが変わる
・回転中心から距離に応じて運動の速さが異なる
関節角度における力の発揮
筋出力 | 大 | 大 | 小 |
関節面への圧 | 小 | 中 | 大 |
筋の走行が骨に対して180度のとき最も効率が悪くなり、90度のとき最も効率が高くなります!
てこの種類
てこの種類は3種類あります。
第1のてこ 安定
Wと同じ力で均衡
第2のてこ 力
Wより軽い力で均衡
身体運動では少ない
第3のてこ 速さ
Wより強い力で均衡
身体運動の大部分
まとめ
今回は、運動とバイオメカニクスの基礎について書いていきました。
作業療法士は「なぜ」そうなっているのか分析することができる「目」視点が必要です。今回挙げた用語は動作分析のための基礎知識として、覚えておくと良いです。
次回はこれらの基礎を踏まえた上で、運動学的視点から腰痛にならないためにはどうしたら良いのか等、具体的な例を挙げていこうと思います。