こんにちは。作業療法士Sです。
褥瘡(床ずれ)があることで活動が制限され、リハビリや日常生活動作(ADL)を行なっていく上で、阻害因子となってしまいます。
今回は、褥瘡を予防するためのポイントについて書いていこうと思います。
褥瘡(床ずれ)とは?
体のある部位が長時間圧迫されたことにより、その部位の血流がなくなった結果、組織が損傷されることです。
引用:日本形成外科学会
https://jsprs.or.jp/general/disease/kega_kizuato/tokozure/tokozure.html
体重で圧迫されている場所の血流が悪くなったり、滞ることで起こる循環障害。
特に骨突出部には体圧が集中しやすく、圧力および応力による循環障害が増大する
低栄養、痩せ、加齢、基礎疾患、摩擦・ズレ、失禁、湿潤 etc…
同一姿勢をとり続けること、動いた際にズレが生じることで褥瘡のリスクが高まります!
褥瘡ができやすい場所
・後頭
・仙骨
・踵
・肩甲骨
・肘
・肋骨
・腸骨
・大転子
・腓骨頭
・外果
・踵
・尾骨
・坐骨
骨突出部を触って確認してみましょう、評価・予防に役立ちます!
骨突出部の圧迫(直接的要因)
人間の毛細血管内圧は通常32.0mmHgで、これ以上の圧力が加わると、毛細血管が閉塞状態になり、皮膚組織に血が通わなくなってしまう
褥瘡予防のためには
①減圧:圧力を32.0mmHg以下に保持すること
(臨床研究では、40.0〜50.0mmHgが安全と報告)
②除圧:体位変換やポジショニングを行うこと
が大切です!
ズレについて(間接的要因)
褥瘡の原因は、“圧力×時間”だけではなく、褥瘡発生にはズレの影響も考えなくてはならない
①体位変換時
②ADL活動時
③異常筋緊張
電動ベッドの背上げ機能を用いた座位、介助で姿勢変換した際などにズレが生じやすいです。
ベッドとの接地面に手を滑らせるような感じで、背・足抜きなど、圧の高まりやすいところの圧抜きをしましょう!
ADL活動時の褥瘡予防
ベッド上での食事や着替え(更衣動作)時など、背上げ機能を使って、長座位姿勢になることがあるかもしれません。その時の注意点として、以下のことに注意しましょう。
- 背もたれ角度はしっかりと起こしきること
- 臀部の位置をなるべく奥まで入れ、体が起ききるようにすること
- ずっこけ姿勢になっていたら座り直しをすること
褥瘡予防の基本は除圧です。
目で見て、手で触れて確認することが大切です!
まとめ
今回は褥瘡を予防するためのポイントについて書いていきました。
褥瘡には直接的・間接的要因があり、両方から褥瘡の要因を探していくことが必要です。
姿勢を変えた際にはズレが生じるため、発生したズレは必ず直すように意識することが大切です。
褥瘡予防のためには、マットレス選びも重要になってきます。次回はマットレス選定について書いていこうと思います。