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排尿に関して考える ③

こんにちは。作業療法士Sです。

前回の記事では、作業療法士が実施すべき排泄ケアの3つの側面について書いていきました。

今回の記事は下部尿路機能へのアプローチの前に、下部尿路の構造や排尿のメカニズムを中心に書いていこうと思います。

目次

正常な下部尿路機能とは

排尿
蓄尿
  • 尿を溜めること
排出
  • 尿を出すこと
作業療法士S

蓄尿・排出
2つがコントロールされることが正常の下部尿路機能です

一般的な正常の排尿

正常な排尿
  • 1日尿量:1000〜1500ml
  • 1回尿量:200〜500ml
  • 初発尿意:150〜200ml
  • 最大尿意:300〜500ml
  • 排尿時間:10〜30秒
  • 排尿回数:日中4〜7回、夜間0〜1回
  • 尿の色:薄い黄色〜透明
  • におい:アンモニア臭は問題ない

下部尿路の構造

女性

・女性の尿道は3cm程

・男性ほど周りの構造に固定がない

・出産や年齢とともに骨盤底筋群等が緩みやすくなり、漏れやすい傾向である

男性

・男性の尿道は20cm程

・周りの構造にしっかり固定されている(漏れにくい構造)

・膀胱の出口にある前立腺が年齢とともに大きくなり、排尿困難を起こしやすくなる

作業療法士S

詳しい構造、位置関係等は解剖学の本を参照されると良いかもしれません…

排尿のメカニズム

尿意の発生
作業療法士S

下部尿路機能に関与する神経中枢は主に3種類あります
・前頭葉排尿中枢
・橋排尿中枢
・仙髄排尿中枢

蓄尿・排尿のメカニズム

蓄尿のメカニズム
蓄尿のメカニズム
排尿のメカニズム
排尿のメカニズム
作業療法士S

内・外尿道括約筋、骨盤底筋群の収縮・弛緩がポイントです

下部尿路症状

作業療法士S

下部尿路症状には、3つの症状があります
・蓄尿症状
・排尿症状
・排尿後症状

3つの症状

蓄尿症状

・尿を溜められない症状

頻尿、尿意切迫感、切迫性尿失禁、腹圧性尿失禁

排尿症状

・尿をスッキリ出せない症状

・尿勢低下、尿線途絶、排尿遅延、腹圧排尿

排尿後症状

・排尿後に漏れる、スッキリしない

・排尿後尿滴下、残尿感

頻尿

作業療法士S

頻尿に関してもう少し詳しく…
頻尿は昼間頻尿・夜間頻尿と、時間を分けて考えます

昼間頻尿

日中(起床〜就寝まで)の排尿回数が多すぎるという愁訴

夜間頻尿

夜中の排尿のために1回以上起きなければいけないという愁訴

70歳以上男性約9割、女性約8.5割が夜間頻尿を有する

作業療法士S

頻尿の原因として以下のことが挙げられます
・水分量摂取量が多い
・膀胱が小さい
・膀胱が硬い(広がらない)
・残尿がある
・炎症や結石がある
・精神的影響(心因性頻尿)
・過活動膀胱

まとめ

今回は、下部尿路機能へのアプローチの前に、下部尿路の構造や排尿のメカニズムを中心に書いていきました。

下部尿路症状の一つ、蓄尿症状の中で頻尿、特に夜間頻尿は70歳以上の男女の有病率は8割以上となっています。

また文献によると、夜間頻尿と転倒・転倒骨折は関係があると言われています。(夜間の転倒に関して最も危険な活動はトイレに向かうことである など)

転倒・転倒骨折を防ぐためにも、下部尿路機能へのアプローチに着目するのは必要なことなのかもしれません。

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