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急性期の頸髄損傷者への作業療法

こんにちは。作業療法士Sです。

今回は、急性期の頸髄損傷者への作業療法について書いていこうと思います。

目次

急性期の脊髄損傷者への作業療法

OTR

私たち、作業療法士は急性期の脊髄損傷者へどのような作業療法を提供したら良いのでしょうか?

To Do
  • 関節可動域の拡大
  • 筋力強化
  • スプリントの作成
作業療法士S

上記のような項目も挙げられますが、
私は「患者様の身体と取り囲む環境との適応を促すこと」であると考えています。

ICUに救急車で運ばれてきた患者様

ICUに救急車で運ばれてきた頸髄損傷の患者様は、どんな状況でいるのでしょうか?

What kind of situation
  • 受傷後発生する全ての事象は受身的
  • 初めて見る場所・人々・治療行為等は新鮮と感じるよりも恐怖体験となることが多い
作業療法士S

恐怖体験によって、
力が入り(力を抜くことができない)、目が開けられない、顔が引き攣るといった反応がみられることがあります。
身体のみではなく、精神的にも深いダメージを受けることがあります。

CHECK
  • 身体面の問題だけでなく、心的外傷症候群(PTSD)が発生することもある
作業療法士S

失見当識や幻視、幻覚、幻聴が生じることも…。

臥位姿勢の特徴

CHECK
  • 急性期の固定期間中など、少ない情報から定位するため、患者様はベッド面へ押し付けて定位しやすい
作業療法士S

残存部位の過活動や麻痺側部位の無視によって、
外部・内部固定を高めてしまい、ベッド面に押し付ける、背もたれを押す、柵にしがみつくといった様子がみられます。

介入

評価

CHECK
  • Zancolliの分類などの分類が筋力で実施している以上、変化することを念頭におく
  • FairがGoodになること、逆にGoodがFairになる可能性もある
作業療法士S

残存機能レベルは変化することがあります。
訓練ではADL遂行能力と同時進行で機能レベルの改善を目指す必要があります。

過剰な筋活動から解放するために

改善した場合
  1. スパイナルショック期を脱した脊髄神経の回復による変化
  2. 残存筋の筋力増強
  3. 末梢神経枝の改善
  4. 過剰な筋活動からの解放(Ⅰa抑制からの解放?)
  5. 姿勢筋緊張からの解放
改善しなかった場合
  1. 2次的合併症(痙性や痛み、褥瘡など)
  2. 肥満・栄養不良・貧血など
  3. 運動不足
  4. 過剰努力による拮抗筋の抑制
  5. 不適切なADLや環境、訓練
作業療法士S

「なぜそのように動かざるを得ないのか?」
適切なクリニカルリーズニングが重要になります。

アプローチ紹介

CHECK
  1. 適応を促すために、支持面を広げるポジショニングを行う
  2. 頭頸部を正中位で揺らす
  3. 頭部を清拭する

頭頸部を正中位で揺らす

目的
  • 表在筋の余分な力を抜いて、脊柱の深層筋を活性化することで感受性の高い身体を作ることを目的とする
  • 体幹の正中軸を成立させることを目的とする

頭部を清拭する

目的
  • 頭部の清拭にて体幹の正中軸の近くで小さく揺らすことで、深層筋の緊張を落とすことを目的とする
  • 蒸しタオルなどを使用することで、快刺激により余分な力を抜いてもらうことを目的とする

まとめ

今回は、急性期の頸髄損傷者への作業療法について書いていきました。

患者様の置かれている状況を理解し、身体と取り囲む環境との適応を促すことを目的に介入していくことが大切です。

急性期の訓練場面では適応を促すために、まずは患者様に身体内部との相互関係を感じてもらうことが必要です。そのため、訓練では支持面を広げるようなポジショニングを行ないつつ、正中軸を成立させることを目的に介入していきます。

どの状態で力が抜けるのか、評価していきましょう。

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