こんにちは。作業療法士Sです。
今回は、片麻痺者の障がい特性をテーマに書いていこうと思います。
目次
片麻痺者の長期予後
長期予後
- 退院時の歩行能力が低いほど、歩行能力の低下をきたしやすい
- 歩行能力が低いほど生命予後が不良
- 「退院時ADL介助群は退院時ADL自立群と比較し、ADL能力低下をきたしやすい」(吉永ら 総合リハ1982)
作業療法士S
機能低下例の特徴として、
・かたい?(動き方・可動域・非麻痺側も?)
・動作に余裕がなさそう?
・視線の変化に乏しい?
・努力的な動作?(呼吸を止めて、一気に行う)
・動かされることに抵抗・依存している?
・姿勢に変化が少ない?
といった特徴がみられることがあります。
巧みさについて
作業療法士S
スキーを例に考えてみましょう!
スキー
スキーは「倒れずに」移動しなければならない
熟練者、初心者の特徴
熟練者
- 調節的で安定的な頭頸部-体幹
- 自由度が高く探索的な頭頸部・四肢
- 適応的で安定した姿勢調節を背景とした運動
初心者
- 視覚は足元で固定、予測的な制御のための情報収集は困難
- 自由度が低く探索が困難な頭頸部・四肢
- 動かないことを最優先とした姿勢制御(固定)
作業療法士S
このことは、片麻痺者にも言うことができるのではないでしょうか…?
健常者、片麻痺者の特徴
健常者
- 環境変動や課題の特性に合わせ、バリエーション豊富な姿勢・運動の中から最適なものを選択することができ、効率の良い行為が可能
- 倒れないための動きと、目的を達成させる四肢の運動を見事に調和させている
片麻痺者
- 姿勢・運動パターンに多様性が乏しく、環境や課題の変動に合わせ、戦略を変更することが難しい
- 姿勢制御系の問題を背景に持つことが多く、倒れないための働きを優先せざるを得なくなる。
作業療法士S
片麻痺者は、
・体幹内部の固定的な利用や四肢の運動が制約を受けやすい(支持やバランス活動)
・戦略を変更することが難しいため、動作が不可能になったり、非常に強い努力を要するようになりやすい
といった特徴が挙げられます。
情報の量と質、姿勢戦略の問題
作業療法士S
これらの関係性を如何に打開することができるかが
ポイントになります。
まとめ
片麻痺者の障がい特性をテーマに書いていきました。
J.Jギブソンは「私たちは動くために知覚するが、知覚するためにはまた動かなければならない」と言っています。
潜在能力を発揮するためにも、安心した行為が可能なように環境を整え、定位のための情報を提供することが大切です。
次回は片麻痺者の床上動作や端座位、立ち上がりでの特徴について書いていこうと思います。