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【研究】作業療法研究法 量的研究についての補足

こんにちは。作業療法士Sです。

前回の記事では、研究法に関する内容、量的研究について書いていきました。

今回は、量的研究をより理解しやすくなる一助になればと思い、用語の説明など補足事項を中心に書いていきます。

目次

測定

測定

量を評価するために、一定の決まりに基づいた方法を行うこと

作業療法士S

例を挙げると…
知能を測定するために行うIQテストです。
IQテストは測定の方法が決まっています。

測定の限界

測定の限界
  • 完全な測定は存在しない
  • 意図的な測定の誤用は✖️
  • 測定の対象は変数測定項目と良い、測定によって変化する
作業療法士S

完全な測定は存在しないと言うことは…
全対象は測定できないことがあるため、です。
測定は不完全で欠落を伴います。

母集団とサンプル

母集団とサンプル

量的研究は、すべての対象(母集団)から抽出された部分的対象(サンプル)に対して行われる

統計的処理

統計的処理

統計的処理は、サンプルに対して行われる測定値のまとめ(確からしさ)である

作業療法士S

平均値、標準偏差、レンジ、モード、最低値、中央値、最多頻度値等…さまざまな用語も確認していきましょう!

全体にあてはまる「確からしさ」

統計的値

サンプルに対する統計的値(確からしさ)は、母集団の特性を表す変数を予測する目的で用いられる

作業療法士S

母集団の特性を表す変数とは、
研究上の疑問の答えを求める必要性のある特性のことです

量的研究のデザイン

量的研究のデザイン
  • 叙述的なデザイン
  • 相関関係的なデザイン
  • 実験的なデザイン
  • etc…
作業療法士S

量的研究のデザインは多数あります、良かったらこちらの記事をご参照ください!

変数について

変数(Variable)

人物・対象物・状況を表す特性、異なった価値として取り扱うことができるもの

独立変数と従属変数

実験状況下では、研究者は変数を操作し、その影響が他の変数に出現するか調べる。

独立変数
(Independent Variable)

この実験状況下での変化の原因となる変数を独立変数という

従属変数
(Dependent Variable)

実験状況下で、独立変数によって起こされた変化の値で、測定の対象として扱われたものを従属変数という

予測変数と基準変数

非実験的な研究でも、実験的研究の場合と同じような2種類の変数の関係がある。

予測変数
(Predictor Variable)

先行し仮定する変数である

基準変数
( Variable)

結果・帰結する変数である

作業療法士S

例を挙げると…
「親の経済状況と子どもの行為の関係」という研究では、
親の経済状況が予測変数子どもの行為の状態が基準変数
となります。

よく使われる用語について

用語の確認
  • データ(Data)
  • 仮説(Hypotesis)
  • 理論(Theory)
  • 操作手順(Protocol)
  • 追試(複製)
  • 実験(Experiment)
  • 水先案内人(Pilot Study)
  • 信頼性
  • 妥当性
作業療法士S

これらの用語をまとめていきます!

データ(Data)

研究・実験単位で行われ記録された客観的な現象

仮説(Hypothesis)

2つ以上の変数の関連性について推測を加えた解説

理論(Theory)

相互関係を持つ変数群における関連性を系統的に説明したもの

理論は仮説よりも大きな範囲での説明として利用され、現象の関連性を説明する機能を持つ

操作手順(Protocol)

実際の調査で変数が測定されたやり方

追試(複製)

研究の中に、先行研究で行われた疑問と同じものがある場合、同じ疑問を再検討すること

複製には、概念的な複製(アイデアの模倣)、正確な複製(すべての模倣)がある

実験(Experiment)

調査を行うものが、実際に変数や因果関係を明白にするために操作を行う研究のこと

水先案内人(Pilot Study)

目的とする研究に付随し専攻する問題を解決するために行われる研究のこと

信頼性

測定が同じような状況下で一定の結果を提示するということ

妥当性

測定に用いられる尺度が測定される対象の変化に対して適切であること

実験研究の過程

実験研究の過程
  1. 問題となる領域の確定
  2. 適切な文献の調査
  3. 問題点の明白で適切な用語による定義
  4. 検証可能な仮説の形成

仮説の指向性について

指向性を持った仮説

指向性を持った仮説とは、変数間の関連の傾向を示すものである

作業療法士S

指向性を持った仮説は < > を含む1側性(one side)です。

指向性を持たない仮説

指向性を持たない仮説とは、変数間の関連の傾向を明示しないものである

作業療法士S

指向性を持たない仮説は ≠ を含む両側性(two side)です。

変数の概念定義と操作定義

研究で扱う変数の概念と操作を定義づける。

POINT
  • どのような尺度・検査を用いるのか?
  • 研究者としてどの程度まで到達可能か、また、どの程度まで到達しなければならないのか?
  • 自身で考えている測定したい部分はどこか?
  • 測定できる部分との一致について、どうか?

被験者(サンプル)の決定

① 母集団を定義する。

POINT
  • 研究であなたが結論を求めたい対象集団はどのような人たちなのか?

② 被験者の募集計画を立案する。

POINT
  • 誰を被験者として、誰を被験者から除外するのか?
  • どのようにして被験者を特定し、被験者に接していくつもりなのか?

③ 何名の被験者が必要か決定する。

POINT
  • サンプルが小さい:不明瞭な結果からの結論を過剰に解釈する可能性が増大する
  • サンプルが大きい:不必要なデータに多くの時間を無駄にする
作業療法士S

研究者の目標は、
両極端な間違いをせずに、適切なサンプルサイズの研究を行うこと
です。

データ収集過程を規定する

POINT
  • データ収集過程は、変数の信頼性を左右する重要な過程であり、過程が不安定であれば研究の意味がなくなる
作業療法士S

データを処理する際に、フローチャートや時間割、図表を作成し、研究を視覚化すると良いです!

まとめ

研究過程を適切に行うためには、

・文献を読むこと

・プロトコールを決めること

・データを集めること

・データの整理をすること(PC入力、質問紙の回収等)

・結果を記述すること

・考察を加えること

・(発表すること)

など、仕事量が多量であることを認識することが大切です。

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