こんにちは。作業療法士Sです。
前回の記事では、研究題目や研究デザイン、研究仮説について書いていきました。
今回は量的研究について書いていこうと思います。
量的研究とは
量的研究法とは、自然科学的な研究方法です。
観察された現象を理解し、説明することが目標です。
・自然現象の中で関連があると推測される事柄に関して、立案された仮説に対する、組織化され、対照群を持ち、経験的、批判的な調査である
量的研究の特徴
量的研究の特徴は5つあります。
- 客観性
- 経験主義
- 公共性
- 対照群への関心
- 組織化
客観性
・偏見を避けようとする、意識的な規則の運用
経験主義
・感性を通じて得られる事実の情報である科学は客観的な部分に焦点を当てる
公共性
・科学的な結果や、その結果を得るために利用された科学的な手法は、そのほかの科学者に伝達され、科学的な集団からの質問にオープンである
対照群への関心
・変数間の関係性を研究する場合に、関連性の背後にある因子を正確に見つけ出す努力が払われる
組織化
・科学者は、研究のために緻密に準備された段階を経ていく
量的研究時に注意すべきこと
量的研究を行うときは以下6つのことに注意しましょう!
- 盲目的な信頼
- 盲目的な不信
- 複合的な疑い
- 科学万能主義
- 決定・断定主義
- 還元主義
盲目的な信頼
・統計学的な解釈を自動的に正しいものとして受け入れてしまうこと
盲目的な不信
・全ての統計は失敗あるいは間違った結果を導くという姿勢
複合的な疑い
・量的な研究は、その方法において歴史的な哲学的観点と関連している
・傾向によっては「肯定的な姿勢」により結果の過信をまねく
科学万能主義
・科学に対する崇拝や真実を疑えない精神
決定・断定主義
・自らの行動に対する強固な決定主義的な態度、自由な意志や柔軟な意向はみられない
還元主義
・ミクロレベルの分析によって複雑な現象が説明できるとする姿勢
・DNA分析が生物の仕組みを証明すると考える背景
文化や社会については量子力学や遺伝子工学では説明できません。
まとめ
今回は量的研究について書いていきました。
量的研究では観察された現象を理解し説明することが目標となります。
量的研究の特徴・注意点を押さえつつ研究を行っていきましょう。