こんにちは。作業療法士Sです。
経験年数を重ねるにつれ、臨床における取り組みの成果をまとめて原著論文や実践報告、短報などを書く機会が出てくると思います。
テーマを決めてデータを集めた後、どの様に分析をしたら良いのか悩むことが多々あるかと思います。
今回から数回にわたって、その悩みを解決する一助になるように、調査研究や量的研究、質的研究、統計手法について書いていこうと思います。
今回は概論編、研究法を学ぶにあたって研究の概要について書いていきます。
はじめに
研究とは、現象の真理や原理を明らかにする目的で行われる知的な好奇心による行為
学術研究
自然科学や人文科学などの学術分野で行われるものを、狭義には研究と呼ぶ
二つの科学
人間行動に対する全体的倫理的信条を持ち、経験による知性の幾重にもわたる演繹的推論の上に自然科学は成立している
人間行動に対する全体的倫理的信条をもち、物語による知性の幾重にもわたる非演繹的推論の上に人文科学は成立している
演繹(えんえき)的推論とは、一般的・普遍的な個別的・特殊的な結論を得る論理的推論のことです。
公共性・再現性・倫理性
学術研究は、公共性・再現性・倫理性の3つが求められています。
研究の成果は、公開されて、共有されなければならない
事象を成立させる要素や要因を整えた時に、再び同じ事象が起きること
研究には、不正な手段や反社会的な方法は許されない
研究の類型
研究には、基礎研究・応用研究・開発研究の3つがあります。
仮説や理論を作り出すために、現象や事実を説明するために、実用性を考慮せずに行われる研究
基礎研究の成果、知見を利用し、実用化を目標に行われる研究
材料や製品の開発、改良を目標に行われる研究(技術・製品)
まとめ
今回は、研究法を学ぶにあたって研究の概要について書いていきました。
患者様に作業療法を提供するためには「根拠」が必要となります。
根拠を示すためのデータは、IT技術の発達により、インターネットで世界中から手に入れることができます。
先人たちの臨床における取り組みの成果であるデータを実践し、よりアップデートしていくためにも、研究に取り組んでみるのはいかがでしょうか。