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人工股関節患者様の訓練場面における注意点

こんにちは。作業療法士Sです。

今回は人工股関節患者様の訓練場面における注意点について書いていこうと思います。

目次

人工股関節患者様について

対象者

主な対象者

・転倒などの骨折が中心

・既往に変形性股関節疾患がある方が脳血管障害を呈した場合

受傷者の特徴

転倒した時間帯PM〜就寝時にかけて、特に17時〜21時の転倒が最も多い
転倒した場所自室など、屋内が多い
作業療法士S

夜間の屋内での転倒リスクを考える必要がありそうです…!

性別・年齢 男性:20.4% 女性:79.6% 平均年齢:80.6歳
骨折型頸部骨折:51.3% 転子部骨折:48.7%
既往歴高血圧、脳血管障害、認知症
治療内容手術療法:97.3%(人工骨頭:36% CHS:40% Pinning:12% γ-nail:12%)
入院から手術までの日数平均1.9日
術後全荷重許可までの日数人工骨頭:手術翌日 CHS、γ-nail:術後5日 Pinning:術後14日
認知症の有無認知症あり:71.4% 認知症なし:28.6%

全人工骨頭置換術(Bipolar Hip Arthroplasty:BHA)

大腿骨頸部内側骨折や大腿骨頭がなんらかの原因で壊死した場合、大腿骨頭を切除し、金属あるいはセラミックなどの骨頭に置換します。

全人工股関節置換術(Total Hip Arthroplasty:THA)

作業療法士S

全人工股関節置換術(THA)は後方アプローチ、前方アプローチの2種類あります!

後方アプローチ

後方アプローチ

股関節後方の筋や関節包などの軟部組織が手術にて損傷

⇨後方の支持性低下

⇨脱臼に注意

禁忌肢位

股関節の 屈曲+内転+内旋

前方アプローチ

前方アプローチ

中臀筋と大腿筋膜張筋の筋間を切開

⇨前方組織の侵襲は少ない

⇨前方脱臼のリスクは小さい

禁忌肢位

股関節の 伸展+外旋+内転

脱臼リスク

通常は関節包でカバーされていますが、人工股関節に置き換えるため関節包を取り除きます。

関節包がなくなったことで支えがなくなり、脱臼するリスクがあります。

脱臼の時期

1ヶ月以内:70% 3ヶ月以内:59%

作業療法士S

人工関節はかみ合わせがやや浅いです。

作業療法の処方

作業療法 処方内容

日常生活動作指導

作業療法士S

ざっくりとした処方が出されることも…汗
どのような手術を行ったのか、また禁忌肢位についても確認しましょう!

日常生活で気を付けること

人工関節置換術後は疼痛が軽減され、歩行能力をはじめ、日常生活動作の改善がみられますが、手術による合併症(脱臼のリスクなど)を予防するために、自己管理を促す必要があります。

指導内容

正座をしないようにする(洋式の生活を勧める)

できるだけ腰をかけて動作を行う(トイレ、入浴、家事動作時など)

低い椅子には座らない(膝が股関節よりも高い位置にこないように)

膝を深く曲げない(足元のものをとる、靴下を履く、爪を切る時など)

足を組む、閉じることをしない

ベッドでは足の間に枕などを使用する(側臥位は△)

立ち上がる時は、手で体を押し上げるようにする

脱臼対策:股関節軽度外転位保持、しゃがみ動作の制限

作業療法士S

上記に挙げたのはあくまで一例です。
「山登りが趣味、仕事で農作業をする」などの相談があった場合は個別で対応策を考える必要があります。

環境面

CHECK

自宅環境、生活スタイルの聞き取りを行う。

⇨ベッドor布団、トイレは洋式or和式、階段・段差の高さ、車の乗降など…

作業療法士S

何かを我慢するのではなく、どのようにしたらやりたいことができるかを一緒に考えることが大切です…!

まとめ

今回は、人工股関節患者様の訓練場面における注意点について書いていきました。

まずは脱臼リスクを念頭に禁忌事項・肢位をセラピストと患者様相互に確認することが必要です。

自宅環境の情報収集をし、身体機能面だけでなく認知面などからも安全にADL動作が可能か評価していきます。

患者様ご本人がご自身のリスクを適切に知り、考えられるように指導していきましょう。

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